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マントネ ―Mentone―

  

〜Horse of
    the Century瓠

南カリブ海洋
      史上最強馬



父 ピンクフラワー
母 ファヴィラ
母父 ソルフェリーノ

生年:1956年
性別:牡
毛色:鹿毛
国籍:トリニダード(現在のトリニダード・トバゴ共和国)
生涯成績:18戦13勝[13-1-1-3]
※失格降着2回
主な勝鞍:ガバナーズカップ、スチュワーズカップ、テキサコプレート、クイーンエリザベスS、トリニダードターフクラブカップほか

南海の島々で無敵を誇った、伝説の名馬。トリニダード競馬史上最強とも言われ、南カリブ海洋の環礁では完全に敵無のスーパーホースであった。カリブ海の競馬における重鎮たちが瞑想し、論究に論考を重ねた末にHorse of the Century瓠帖崟さの名馬」に選定したのも同馬マントネ。
わずか一年たったの一年で光のように去って行った狎さの名馬瓠△修領鯆をここに綴る――。

マントネが産声を上げたのはカリブ海ではなく、英国はJ.T.キンドン氏が経営する牧場の納屋の中であった。生まれながらに利発で機敏なところを見せており、どうやら秘めるポテンシャルは相当のものを持っているようであった。この隠し持った資質を見事に見抜いたのがバルバドス島に籍を置く、ボルネ氏であった。マントネを輸出させカリブ海へと招聘。命名したのもボルネ氏であり、いたくマントネに惚れ込んでいたらしい。

父ピンクフラワーはドイツの皇帝オレアンダーの血を継ぐ種牡馬。つまりはドイツ最強馬の胤子がカリブ海を遍く束ねることとなる訳である。デビューは1959年のクリスマスシーズン。街の界隈にはサンタの帽子が行き交い、皆が心弾ませる中、初陣を迎えたモントネは持ったまま、手綱をガッシリと握り絞られたまま圧勝。羊角が巻き起こるほどの壮烈なるスピードで他馬を轟沈させてしまう。
この圧巻の強さに度胆を抜かれた陣営は一気にハードルを上げ、GI級レースへと進軍開始。ガヴァナーズカップ(芝1,800m)へと出走すると、ブルーストリームという馬を相手にこれまた軽く追っつけられるだけの、まるで魔法仕掛けのような楽勝の3馬身半差のタイトル奪取となったのであった。
しかも、デビューしたばかりの馬が、1分56秒というトラックレコードを樹立させてしまうのだから、この強さには舌を巻くほかない。



こうなるともはや手の付けられない、破壊神の如き騎獣の勢いで並み居るライバルを駆逐、放逐、懺壊して数々のビッグレースを鯨飲していく――。
ガヴァナーズカップからわずか6日後、マントネはスチュワーズカップ(芝1,200m)へと参戦。ウエステンドという強豪を楽々と1馬身と1/2差斥け、あっさりと二冠目を戴いてしまった。しかも、なんとここでもレコードタイムとなる1:11.08をマーク。国士無双とは、こういう超絶的強さを指すのだろう…。
この馬の手綱を握る主戦騎手のバイロン・クラークも、調教に従事したダニエル・バートン調教師も、異口同音に口を揃え、「マントネこそ史上最高の名馬」と讃えている。
それもそのはず。トリニダードで12戦し7勝。うち2回は不運な失格処分による降着で1着を外してしまっただけで、無人無馬の荒野を疾風となりて行くがごとくの楽勝劇の連続だったのだから。
さらに凄絶を極めたのがオーナーの郷里であるバルバドス島での成績。なんと、6戦して全勝。まるでオーナーの母郷を知っているかのような凛然たる立ち振る舞いで他を震撼させるのであった。

  
〔まさにカリブの南海を統べりし者。その強さに島民たちは驚愕の一語を抱懐するほかなかったことだろう〕


             
〔モントネが刻んだレコードは5つ。上述以外のものでは、ユニオンパーク競馬場にて芝の1,200mで1:10.08、芝1,800mで1:51.08、そしてバルバドスのギャリソン・サバンナ競馬場の芝1,500mにて1:32.04で駆け抜けている。当時の馬場状態や全身全力の疾走態勢でなかったことを踏まえれば、かなり秀逸なタイムである〕


その古の海に、彼はいた。
そして海に生きた民たちは彼をこう呼んだ。

Horse of the Century瓠
“世紀の名馬”と―――・・・。

  

  

☆マントネはデビューから丁度一年となった1960年のクリスマスに引退。クリスマスキャロルの流れる街中を惜しまれつつ去って行った。

☆ガヴァナーズカップ、スチュワーズカップ、テキサコプレート、クイーンエリザベスSの四冠をたった一年で完全制覇した馬は、彼マントネを除きただの一頭すら存在していない。

☆マントネは種牡馬としても成功し、デボネアやシットタイトなどの後継馬を送った。

今回の写真元:『Trinidad Tobago Racing Authority、秋山由美子』

   

奇跡の名馬 (中米・カリブ海の名馬) * 05:33 * - * - *

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