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センニンブロ

 

 【 センニンブロ 驚愕の世界連闘記録

書肆の架奥で手に取る文献・古文を読み漁り、いにしえの記録の海へとカンテラを灯す――。
そこで邂逅を果たした爛札鵐縫鵐屮蹲瓩覆詭焦呂離皀離タリをここに記す。

 ◆
 3日間で5戦3勝2着2回…
 平地・速歩・障害…
 レースの次にまたレース

 ◆

“仙人風呂”なのか“千人風呂”なのか、その名の由来は不明だが、この馬が刻んだ上記の記録がどれほどの凄い記録なのかというのも、世界競馬史に残る世紀の大記録であることも、断片のみでは判然さっぱりわからない。
それでは、その内約を仔細になぞって行くことにしたい。
時は大正9年。秋季函館競馬初日、第一Rの速歩競走(繋駕速歩競馬3,500m、2頭立て)にセンニンブロという黒鹿毛の馬出走し勝った。センニンブロはこの後小休憩を取り、同日第六Rにも再び登場。ここはフソウという馬の2着に敗れるが、なんと翌日また出走し、第六Rでイサミという馬の2着。ここまでは明治・大正期の競馬であればたまに見かける光景であったが、このセンニンブロという馬、恐ろしくタフだったようで、最終日の3日目にも参戦してきたのである。まず第一競走の速歩競走(4,000m)で圧勝。さらに、脅威的にもつづけて次の第二競走にもすぐさま顔を見せ、ここでも鮮烈な勝鬨を上げるのであった。しかもこの競走、障害競走だったのである。
つまり、このセンニンブロ、3日間1日も休むことなく、立て続けに出走し続け、なおかつ平地・速歩・障害という全く異質の三競走で勝利。しかも連対率100%をキープしたままで、最後の日には2レース立て続けの連闘ダービーの翌日にダービーを勝ったラッシュアウェイという米国馬もいたが、こちらはさらに凄まじい。これが世界競馬史最短の連闘異種競走勝利記録である。


▲〔スタンドへと向かうセンニンブロ〕

  
さすがのゼンヤッタもこの記録には舌を巻くかもしれない。
さて、もう一頭空前絶後の連戦連勝記録を残した馬を紹介する。
それがモノトニーである。


モノトニー
明治2年、横浜根岸競馬の秋季開催にて、ブリタニアカップ、チャレンジカップ、バンカーズカップ、レジャーカップ、売却ハンデキャップステークスと、5連勝。
なんと2日で5勝してしまったのである。
無人の荒野を行くがごとくの大勝の連続も、風刺雑誌の『ジャパン・パンチ』は、彼の馬名にかけ、「全く単調(モノトナウス)なレースでつまらない」と痛切に書記。完全に皮肉られてしまった。
これが2日間における世界最多勝利記録数である。

 

1日で8走した馬もいたと、札幌育種場競馬場の記録に残っている。

ちなみに、近代日本競馬における連闘最高記録
ラガービッグワン12連闘
1995年6月10日〜8月27日まで12週連続での出走。出走したレースは全12戦とも未勝利戦。最高着順は3着3回が精一杯だった。

現代競馬において、もはやこれらの記録を更新することは永遠に不可能。
それというのも、昭和39年から1頭の馬を2日連続して使用することが禁じられた為である。
それまでは土曜に出走した馬が日曜にまた出走してくるということもあったのだが、もう二度とこうした酷使をすることは出来ない。さらに、昭和44年からは出走してから4日を経過しなければ競馬に使うことも禁じられ、現世においては「出走した日から起算して5日以内に施行される競走については、出馬投票することができない」という規定が設けられている。
永久不滅の世界記録を持つ馬が、日本競馬の忘れ去られた時間の海にモノクロの残影を今も浮かべている――……。


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