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ザテトラーク

〜真・怪・物〜



父 ロアヘロド
母 ヴァーレン
母父 ボナヴィスタ

生年:1911年
性別:牡
毛色:芦毛
国籍:アイルランド
生涯成績:7戦7勝

怪物と呼ばれる馬はたくさんいるが、この馬ほど怪物という呼称が似合う馬はいるまい。
その異様な容姿からそのスピード、そして残しさった伝説の数々がそれを如実に物語っている。

ザテトラークは入廐直後から、2歳馬では到底出せない、威容なまでのスピードを見せていた。
2歳の春、同世代の馬たちとの併せ馬調教ではキャンターのまま10馬身も離してしまった。この時、調教を務めたヘンリー・S・パース調教師はこのような桁外れの2歳馬がいていいものなのか、と愕然としてしまったという。
それならばと、今度はそこそこの古馬と併せた。そこでパース調教師は、目を疑うような光景を目にしてしまう。

(1)ザテトラーク(軽ハンデ)VS古馬(重ハンデ)

(2)ザテトラークVS古馬→同斤量

(3)ザテトラーク(重ハンデ)VS古馬(軽ハンデ)

結果はすべて同じだった。ザテトラークの楽勝。それもキャンターで、である。もう一度言うが、これはデビュー前の春の時点の2歳馬が見せたパフォーマンスである。信じがたい光景である。

そしてこの化け物がついにデビューを迎える。1913年4月17日、ニューマーケットの未勝利(芝1000m)に登場。
相手の様子を見ながら、調教時より楽に、馬なりのままキャンターで4馬身差の大楽勝。この時、騎手は立ったまま後ろを向きながらゴールしたという。
2戦目のウッドコートS(芝1200m)は圧倒的1番人気に推されていた。その為か厳しいマークを受け、周囲を囲まれたまま直線。しかも最後方という絶対絶命の大ピンチ。壁に隙間が生じてチャンスが訪れた時、残りわずか200m。そこからが超圧巻で、なんと手綱を緩めただけで一気に全馬を交わし去り、3馬身差もつけて楽勝してしまった。
3戦目はさらに驚天動地の一戦となる。
ロイヤルアスコットのコヴェントリーS(芝1200m)。いいスタートを決めたザテトラークは、最後の直線で騎手に全力で抑えられてしまう。
その理由は…ザテトラーク以外の馬が、さぁこれから最終コーナーにかかろうか…としているところだったためだった。ザテトラークが遊びながらゴール板を通過した時、2着馬はまだ最終コーナーを回りきっていなかったという。
ついた着差は40から50馬身差と言われ、審判も2着馬が勝ち馬だと間違えてしまったらしい。
これが長距離戦ではなく、短距離戦のものだからちょっと信じられないが、10馬身以上の着差をつけたことは確かのようだ。

4戦目は最大の伝説となる一戦であるナショナル・ブリーダーズ・プロデュースS(芝1000m)。着差はクビ差の辛勝。しかし、これからの記述を御覧頂ければ、この馬の真の力がお分り頂けるだろう。

ザテトラークは、このレースでバリヤーに衝突しそうになって大きく出遅れ、結局スタートした時には10秒以上が経過してしまっていた。10馬身差の出遅れではなく10秒差の出遅れ。しかも1000mという短い距離で、60k近い斤量を背負わされていた…。2着となる馬が2コーナーを回る時、ザテトラークはまだスタート地点にいたのだという…。これだけの不運が重なっては、相当強い馬でもシンガリ負けを逃れることすら危ういはずた。それを勝ってしまったのである。異次元世界の化け物という他ない。

この後も翌年のオークス馬にキャンターで6馬身差の楽勝するなど、快進撃を続けたが、調教中に故障してクラシックを断念。競馬場から去っていった。

種牡馬生活をはじめたザテトラークであったが、種付けが大嫌いで、生涯を通して残した産駒の総数もたったの130頭という極少数のものに止まってしまった。
しかし、その130頭で257勝もあげ、その血はムムタズマハルやアーバナント、ナスルーラらを通じ、現代競馬へと、着実に継承されている。


  ★彡追記メモ★彡

☆ザテトラークは奇妙で大きな黒い斑点をもっていた。
またひょろっと背が高く、不恰好に見えたという。しかし、涼しげな目をして見るからに賢い馬だったという。

☆ザテトラークはデビュー前、体中の奇妙な斑点から「木馬」と呼ばれ、嘲笑されたが、その圧倒的強さをレースで見せると、「The Spotted Wonder(驚異の斑点馬)」と呼ばれ恐れられた。

☆“ザテトラーク”とは、ラテン語のテトラルキアの英訳で、ディオクレティアヌス帝時代のローマで敷かれた四分治制を意味する。

☆ザテトラークはとてつもなく後脚の踏み込みが深く、それが故障の原因ともなってしまった。

☆ザテトラークは意思の強い馬だったが、常に接する人に気を使い、一度も怒りを発散させたことがなかったという。


 貴重な牧場での写真

奇跡の名馬 (仏国・独国・伊国・愛国の名馬) * 14:34 * comments(0) * trackbacks(0) *

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