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アークル

   【アークル】

   〜伝説の英雄〜



父 アーカイヴ
母 ブライトチェリー
母父 ナイトオブザガーター

生年:1957年
性別:牡(セン馬)
毛色:鹿毛
国籍:グレート・ブリテンおよびアイルランド連合王国
生涯成績:35戦27勝[27-2-3-3]

「アークルを知らずして障害を語る事なかれ」…競馬の母国、イギリスで語り継がれる名言である。アークルはイギリス・アイルランドに生きる人々全員がその名を知っている、あまりにも偉大な障害馬なのだ。
元来、イギリスでは障害競馬が絶大な人気を誇っており、国際的にも有名なグランドナショナル(7,220m)のテレビ視聴率はダービーのそれを遥かに凌駕する。この競走は世界でも最も有名な障害レースで、国家的な行事にもなっている程である。ちなみにその栄えある第一回は1839年に開催され、ロッテリィという馬が優勝している。


〔先頭をゆくアークル〕

凛と空気の引き締まった冬天の下、イギリスでは伝統的な障害競走が催される。障害競走のことをスティープルチェイスと呼ぶのだが、この中心とされるのがチェルトナム・ナショナル・ハント・フェスティバルで、ここで最高の栄誉と崇められている大レースがゴールド・カップである。この障害競馬の頂点とも讃えられるレースをなんと3連覇したという伝説の障害馬がいる。それがアークルである。
アークルは1957年、メアリー・ベーカー女史の手で生産され、ウエストミンスター卿・アンネ公爵夫人の元で競走馬生活を送った。この馬がいかに特別な存在であるかは、英国レーシングポスト紙が行った歴代名馬のファン投票結果を見れば一目で見て取れよう。
アンケートで堂々の一位に選ばれたのがアークル。2位はこれまた伝説的障害馬のレッドラム(グランドナショナルを3回、しかもいずれも25馬身差以上の大差勝ち。国民的ヒーロー馬)。アークルはこのレッドラムに大差の得票差を付けて選ばれたのだ。レッドラムから3位の馬にはさらに大きな差があり、いかにこの2頭が、イギリス競馬に特別な後光を放っているかが窺い知れる。もちろんこの投票は平地競走の名馬たちも投票の対象となっている。要するにアークルはニジンスキーやミルリーフ、ブリガディアジェラド、ひいてはセントサイモンといった史上に名を残す最強馬クラスを差し置いて、「最高の名馬」に選出されたのである。もし、この投票が日本で実施された場合、180度、全く対照的な結果が出ることは明白であろう。両国の競馬文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、JRAが昨今創設をみた中山グランドジャンプや障害レースへのグレート制施行などは、いかに日本が障害競走の後進国であるかをファンの眼前へと惜し気もなく広げ、その向上が急務であることを暗踰的に察知できる。


                              


話がずれたが、アークルがいかに特異な存在であるか、お分り頂けたと思う。
アークルの脚質は先行。常に安定感ある走りを、いかに難易度の高い障害であろうと関係なく披露した。競馬史の譜面に記されていった彼の偉大な戦績は、チェルトナム・ゴールド・カップ(3連覇)、ヘネシー・ゴールド・カップ(2連覇)、グランドナショナル、ホイットブレッド・ゴールド・カップ、SGBチェイス…あらゆる大レースを次から次へとものにしていった。




冬の侘しい空に銀河星雲が瞬く頃、南の夕空に大三角形が浮かび上がる。一際輝きを放つベテルギウスは、アークルのアイデンティティーとオントロジアをそっと天球へと映写していた…― 「伝説の英雄」アークル。英国の人と馬文化に巨影を落とす史上最高のスティープルチェイサーとは、彼の事である。

奇跡の名馬 (英国の名馬) * 05:08 * - * - *

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